社員に対し、任意の請負契約に切り替えるのは問題ないのか?

勤続年数が20年以上の社員に対しては、社内請負社員として、請負契約に切り替える制度を設けています。この制度は任意なのですが問題はないでしょうか。

請負契約制度を設けることによる法律上の問題はありません。

社内で任意の請負契約制度を設けることは、特に法律上の問題はありません。

請負契約とは、請負⼈が仕事を完成することを約束し、注⽂者が完成した仕事に対して報酬を⽀払う契約です。

請負⼈と使⽤者の間には雇⽤関係がなく、請負⼈が成果を提供することで報酬を受け取る制度です。請け負った仕事をどのように完成させるかは、請負⼈に⼀任されます。

労働者を請負契約に切り替える場合は、いったん会社の退職⼿続きをとり、その上で請負契約を結びます。請負契約を結ぶと、請負⼈は労働者ではなくなるため、労働基準法などの保護対象から外れます。

ただし、請負契約に切り替えた場合でも、これまでと同じ時間に出社し、使⽤者から指揮命令を受けている場合は、それは労働契約と判断されます。

請負契約の場合は、会社側に労働保険や福利厚⽣費、残業⼿当などの⽀払義務がないというメリットがあることから、請負契約制度を設ける場合があります。

ただし、請負契約への切り替えには必ず労働者の同意が必要になり、会社が⼀⽅的に契約を変更することはできません。