セクハラというのは
セクハラというのは「関係の強要」や「性的な発⾔」を意味するのでしょうか。
被害者が性的に不快だと感じればセクハラ⾏為にあたります。
セクハラ⾏為になるかどうかについては、厳密な判断基準があるわけではありません。
原則としては、被害者が性的に不快な⾏為であると感じれば、それがセクハラ⾏為に該当します。
ひとつの⽬安として、⾃分の奥さんや恋⼈に対して⾏われたら嫌だと感じるような⾏為かどうかという基準を⽤いることができます。
⾃分の奥さんや恋⼈に対して⾏われた場合に嫌な⾏為は、当然、他⼈がされても嫌だと感じる⾏為なので、セクハラになります。
ただし、この基準だけでセクハラになるかどうかを判断することはできません。ケース・バイ・ケースで、性的に不快な⾏為かどうかを考える必要があります。
セクハラには、性的な⾔動などに反抗する態度を⽰すことで被害者が不利益を受ける「対価型」セクハラと、労働者の就業環境を不快なものにする「環境型」セクハラがあります。
対価型セクハラ
対価型セクハラとしては、次のようなものが挙げられます。
①性的な関係を求めたが断られたため、部下の給料を下げる
②性的な関係を求めたが断られたため、仕事を与えない
③就職活動中の学⽣に対する性的な関係の強要
④取引先による性的な関係の強要
環境型セクハラ
環境型セクハラとしては、次のようなものが挙げられます。
①⽔着・ヌードポスターを掲⽰する
②「彼⽒はいないか」「彼⼥はいないか」と執拗に聞く
③容姿について論評する
④結婚や出産について尋ねる
⑤不必要にボディタッチをする
つまり、「関係の強要」や「性的な発⾔」だけがセクハラではないということです。
場合によっては、部下の⼥性を「○○ちゃん」と呼ぶ、気に⼊っている異性を仕事上で優遇する、従業員を⾷事・打ち上げに誘う、服装を注意するといった⾏為も、セクハラと判断される可能性があります。
事業者が講ずべきセクハラ対策
①セクシュアルハラスメントの内容・セクシュアルハラスメントがあってはならない旨の方針を明確化し、周知・啓発すること
②行為者については、厳正に対処する旨の方針・対処の内容を就業規則等に規定し、周知・啓発すること
③相談窓口をあらかじめ定めること
④窓口担当者は、内容や状況に応じ適切に対応できるようにすること。また、広く相談に対応すること
⑤相談の申出があった場合、事実関係を迅速かつ正確に確認すること
⑥事実確認ができた場合は、行為者及び被害者に対する措置をそれぞれ適切に行うこと
⑦再発防止に向けた措置を講すること
⑧相談者・行為者等のプライバシーを保護するために必要な措置を講じ、周知すること
⑨相談したこと、事実関係の確認に協力したこと等を理由として不利益な取扱いを行ってはならない旨を定め、周知すること