パート社員の健康診断の費用は、本人負担にできるのか?

パート社員が健康診断を受けさせてほしいと⾔ってきました。健康診断の費⽤は本⼈負担にはできないのでしょうか。

健康診断の実施義務があるパート社員について、原則会社が費⽤を負担すべきです。

事業主は、労働者が⼼⾝共に健康な状態で業務に従事する環境づくりが必須で、その⼀環として健康診断を受診させることが義務付けられています。

労働安全衛⽣法でも、事業主は「常時使⽤する労働者」に対して厚⽣労働省令で定めるところにより、医師による健康診断を⾏わなければならないと定められています。

健康診断は、まず常時使⽤する労働者を雇い⼊れるときに⾏います。ただし、労働者が3か⽉以内に受けた健康診断の結果書⾯を提出した場合は、省略することができます。

その後、継続して雇⽤する場合、特殊業務に従事する場合を除いた⼀般の労働者は1年以内ごとに1回、定期的に⾏うとされています(労働安全衛⽣規則43、44条)。

パートタイマーの場合でも、「常時使⽤する労働者」として認められる内容で就業している場合は、正社員と同様に健康診断を⾏うことが必要です。

労働安全衛⽣法は、パート社員等の短時間労働者についても、原則として以下の①から③のいずれかに該当し、1週間の所定労働時間が、同種の業務に従事する通常の社員の4分の3以上である者に関しては、会社等の事業者が健康診断を実施する義務があると規定しています。

また、1週間の所定労働時間が、正社員の概ね2分の1以上である者は、健康診断の実施が義務付けられているわけではありませんが、実施することが望ましいとして、努⼒義務であると定められています。

①雇⽤期間の定めのないパート社員等

②雇⽤期間の定めはあるが、契約の更新により1年以上(深夜業を含む業務など、特定の業種に従事する労働者の場合は6か⽉以上)使⽤される予定のパート社員等

③雇⽤期間の定めはあるが、契約の更新により1年以上(深夜業を含む業務など、特定の業種に従事する労働者の場合は6か⽉以上)引き続き使⽤されているパート社員等

パート社員等の健康診断の費⽤について、正社員と同様に会社に健康診断実施義務があるパート社員等については、会社側が負担すべきです。

なお、前述の要件に当てはまらないパート社員等については、健康診断を受診したい旨の申出があった場合に、その費⽤を本⼈負担にすることも許されます。

なお、会社が健康診断実施の義務に違反した場合、50万円以下の罰⾦に処することが労働安全衛⽣法に規定されています。

そのため会社側としては、パート社員のうち、健康診断実施義務がある社員を的確に把握しておかなければならないということに注意が必要です。