パートタイマーの掛け持ち就労・兼業を禁⽌することはできるのか

会社としてパートタイマーの掛け持ち就労・兼業を禁⽌することはできるのでしょうか。

兼業禁⽌規定を定めることは可能ですが、規定の仕⽅には注意が必要です。

⼀般的な⺠間企業の場合、法律上労働者が兼業することは禁⽌されていませんが、会社からしてみれば、掛け持ち就労や兼業は「会社の業務に⽀障をきたすおそれがある」「情報漏えいの危険がある」といった⼼配があるのも事実です。

そこで、会社として労働者の兼業を禁⽌したい場合には、就業規則に「兼業を禁⽌する」という規定を定めることになります。

ただ、会社として、労働者の兼業を全⾯的に禁⽌し、違反者には懲戒を与えるといった就業規則を作ったとしても、労働者が兼業を思いとどまるかは疑問です。

昇給が抑えられ、残業⼿当を稼ぐことも難しくなっている中、税⾦や医療費などが増加の⼀途をたどっている⽇本では、「兼業しないと⽣きていけない」という⼈が多いのが現実だからです。

判例の⼀部には、「業務に⽀障をきたさない」と判断されるような兼業であれば、懲戒を無効とするといったものもあります。業務に⽀障をきたさないと会社が認めた場合は兼業を認めるといった労働者の希望との妥協点を探ることも検討すべきです。

どうしても兼業を禁⽌したいのであれば、労働者が納得できるような明確な理由を提⽰して、兼業を要しない程度の経済的な⽀援をすることが必要です。