雇⽤確保措置はどのように定めるのか

雇⽤確保措置はどのように定めるのでしょうか。

 

65歳までの定年引上げ、継続雇⽤制度の導⼊、定年の廃⽌のどれかを⾏います。

⾼年齢者雇⽤安定法は、⾼齢者の雇⽤の安定や再就職の促進などを⽬的とした法律です。

⾼齢者の定年に関する制限、⾼年齢者の雇⽤確保のために事業者が講じるべき措置、⾼年齢者雇⽤推進者の選任といった事柄が定められています。

⾼年齢者雇⽤安定法では、労働者の定年を60歳以下とすることはできないことが定められています(8条本⽂)。

また、65歳未満の年齢を定年と定めている企業は、⾼年齢者の雇⽤を確保するために、定年年齢の引上げ、継続雇⽤制度の導⼊、定年の廃⽌のいずれかの措置を講じる必要があります。

このうち、継続雇⽤制度の導⼊とは、労働者の希望に応じて定年後も雇⽤を続ける制度をいいます。

事業主は、労働組合等との協定により継続雇⽤制度を実施します。事業主には、⾼年齢者の雇⽤措置を推進するため、作業施設の改善などを担う⾼年齢者雇⽤推進者を選任する努⼒義務(法律に定められていることを⾏うように努⼒する義務のこと)があります(11条)。

雇⽤確保措置については、労働契約や就業規則などで定めることによって実施します。

たとえば、勤務延⻑をする場合には、労働契約を延⻑することになりますし、再雇⽤をする場合には新たに労働契約を結び直すことになります。

また、定年を延⻑する、あるいは定年を廃⽌する場合には、就業規則の内容を変更することが必要になります。

具体的な内容については労使協定で決めることも可能です。労使協定の締結ができれば、労働者が雇⽤確保措置の内容に同意していることになりますので、雇⽤確保措置を円滑に導⼊することができます。

⾼齢者の雇⽤延⻑措置をとらないとどうなるのか

雇⽤の確保は「義務」ですから、この措置を講じない事業主は法律違反ということになりますが、罰則は特にありません。

ただ、場合によっては厚⽣労働⼤⾂から指導・助⾔・勧告がなされることがあります。また、法律に違反した企業名を公表する制度も導⼊されており(10条)、勧告に企業が従わなかった場合には、企業名を公表されることもあります。