労働者が家庭事情で、頻繁に労働時間などを変更する場合

家庭の事情などを理由に頻繁に労働時間や休憩時間を変更して勤務している者がいて困っています。どのように対処すべきでしょうか。

労働者が勝⼿に労働時間や休憩時間を変更することは、業務命令違反となります。

通常、労働条件を変更するためには、使⽤者・労働者間で合意をすることが必要です。どちらかが⼀⽅的に労働時間や休憩時間を変更することはできません。

また、使⽤者には、労働者の労働時間を把握し、管理する義務があります。

具体的には、タイムカードなどを利⽤して、労働⽇ごとの始業・終業時刻を確認・記録しなければなりません。

労働者が頻繁に労働時間や休憩時間を変更する⾏為は、使⽤者側の労働時間の管理体制を阻害する⾏為であるともいえます。

そもそも、使⽤者と労働者の双⽅には、労働契約の内容を遵守するという義務があります。労働者が労働契約の内容に従わないということは、れっきとした業務命令違反となります。

したがって、労働者が勝⼿に労働時間や休憩時間を変更する場合には、その⾏為が処分の対象になるものであるということを当該労働者に明確に⽰す必要があるでしょう。

ただし、労働者が頻繁に労働時間等を変更するのには、何らかの事情があるのかもしれません。

使⽤者としては、労働者の抱えている事情をよく確認し、必要な場合には、シフト勤務制の導⼊を検討したり、閑散期の勤務時間を減らすなどの対策をとるべきだといえるでしょう。