パートタイム労働者への労働条件書面には、どんな内容を記載するのか

パートタイム労働者への労働条件書面

重要な労働条件は書面で明示しなければならないとのことですが、書面にはどんなことを記載しなければならないのでしょうか。

 

パートタイム労働者の場合、昇給や賞与の有無などについて記載が必要です。

労働契約とは、労働者が使用者に労務の提供をすることを約束し、使用者がその対価として賃金を支払う契約のことです。

契約意識はなくても、雇用の合意だけで契約は成立します。

ただし、どんな内容の労働契約を結んでもよいというわけではなく、さまざまな法令の制約を受けます。

その中で主な基準となるのは労働基準法、労働組合法による労働協約や就業規則で、これらに違反しない労働契約であることが必要です。

労働契約の内容とはどのようなものか

労働条件というと、「会社側が一方的に定めるもの」というイメージもありますが、労働基準法では、労働条件は労働者と使用者が対等の立場で決めるべきだとしています(2条1項)。

合意された内容のうち、労働基準法で定める最低基準に満たないものは無効となり、同法に規定される内容がそのまま契約内容になります(同法13条)

労働者を雇い入れる際には、賃金、労働時間などの重要な労働条件を明確に説明することが義務付けられています(同法15条1項)。

労働条件の明示は口頭でもかまいませんが、そのうち「賃金の決定、計算、支払いの方法、締切り、時期」などの一定の事項については、書面(労働条件通知書)を交付して明示しなければなりません。

また、パートタイム労働者を雇用する場合には、それらの事項に加えて、
①昇給の有無、
②退職手当の有無、
③賞与の有無、
④雇用管理改善措置・相談窓口
について、文書などで明示することが必要です。

正社員との待遇の差異を不満に思うパートタイム労働者が多く見られることから、待遇を改善するための措置内容や疑問を受け付けるための体制を整え、窓口を明らかにしなければなりません。

なお、労働契約は、法律や規則にのっとった内容で書面化され、決定されます。

そして、契約内容が記された就業規則を備え付けるなどの方法で、職場内に明示することが義務付けられています。

パートタイム労働者に対して明示が必要な労働条件

書面で明示しなければならない労働条件

・労働契約の期間に関すること

・期間の定めのある労働契約を更新する場合の基準に関する事項

・就業場所、従事すべき業務に関すること

・始業・終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日、休暇、交替勤務制の場合の交替について

・賃金(※)の決定、計算支払の方法、賃金の締切、支払の時期に関すること
※退職手当、臨時に支払われる賃金、賞与等の賃金を除く

・退職・解雇に関すること

・昇給の有無

・退職手当の有無

・賞与の有無

・雇用管理改善措置・相談窓口

使用者が定めている場合には明示しなければならない労働条件

・退職手当の定めが適用される労働者の範囲、退職手当の決定、計算支払の方法、退職手当の支払の時期に関すること

・臨時に支払われる賃金(退職手当を除く)、賞与・賞与に準ずる賃金、最低賃金に関すること

・労働者の負担となる食費、作業用品などに関すること

・安全衛生に関すること

・職業訓練に関すること

・災害補償、業務外の傷病扶助に関すること

・表彰、制裁に関すること

・休職に関すること