高齢者の労務管理を円滑に行うためには

高齢者の労務管理を円滑に行うためには、まず何をしなければならないのでしょうか。

高齢者の労務管理を円滑に行うためには

要員計画を作成し、高齢者の職業能力をふまえて管理します。

現在では、本格的に60歳以上の高年齢者の雇用を確保するための措置を講じている企業はまだ少ないといえます。高年齢者を雇用することによる人件費などのコストよりも、高年齢者を雇用することで、企業にもたらされる利益の方が少ないと考えられているのがその理由です。

高年齢者の雇用に伴う人件費などのコストの削減方法としては、
たとえば、

①高年齢者の賃金の額は個々人が企業に貢献している程度に応じて変動させる、

②高年齢時に労働者が雇用されていたとしてもその時点での勤務期間は退職金算定の基礎となる期間からは外す、

③国の給付金を効果的に活用する、

といった方策を講じることが可能です。

また、高年齢者の企業に対する貢献度を高めるために、高年齢労働者に適した職務を探す、高年齢労働者に適した雇用形態や労働条件を設定する、といった策を講じることも必要になります。

高年齢者雇用安定法により、65歳までの労働者の雇用確保が義務付けられているため、各企業としてはこのような方策を講じることで、高年齢者をスムーズに雇用する環境を整えることが必要になります。

雇用環境の整備にあたり、「高年齢者は若い頃と比べて能力が低下している」ことを前提にしてしまうかもしれませんが、年齢を重ねるごとに高年齢者の職業能力が低下するとは限りません。

60歳を超えたあたりから、物忘れがひどくなる人もいますし、70歳を超えても衰えが見られない人もいます。高年齢者の個人能力には個人差がありますので、その点を考慮して配置をすることが必要になります。

一般的な高年齢者の長所としては、「地道な作業が得意である」、「長年の経験に基づく技術がある」、「仕事の段取りが上手である」、「若年層の指導や育成が可能である」、「責任感がある」、「遅刻や欠勤をしない」といった点が挙げられます。

高年齢者を雇用する際には、このような高年齢者の長所を考慮することが必要でしょう。

また、高年齢者に教育訓練を行う際には、相手が納得するまでしっかりと説明することが必要です。「その程度のことはわかっているだろう」と推測し、説明内容を省略することは避けるべきだといえます。

要員計画を作成する

高年齢者をどの分野で何人雇用するか決める際には、要員計画を作成する必要があります。

最初に、部門別、職種別に従業員が何人必要かの調査を行います。

また、管理者・監督者・専門職従業員・一般職従業員など、職階別に何人の従業員が必要になっているかについても調査を行います。

これにより、従業員の必要人数を割り出します。

次に、業務を効率化・機械化することで、従業員の数を増やさなくても対応できる分野については、従業員の必要数からは除きます。

ここまでの手順により、算出された従業員に対して、賃金など支出してもよいと考えられる費用を算出します。
これにより、従業員が何人必要であり、費用はどのくらいかかるかという点が明らかになります。

最後に、高年齢労働者を正社員かパートタイマーかなど、どのような形態で雇用するかを決定します。