保育士にかかる負担
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保育の現場では連絡ノートや日誌、指導計画など書類を作成することが増えています。そのために、保育士は保育時間外にパソコンで打ち込むことになります。

一方で、煩雑なシステム化に対応するため、私立の保育園では、専門の事務員の方を配置しているケースも多く見られます。これは公立の保育園には見られない大きな利点です。ただ、公立の保育園は、区の保育課とシステムの上でつながっているため、大きなトラブルが起きたときには、公的機関のバックアップを受けることができます。

公立か私立かによっても、その対応はいろいろと違うということです。

このように、増え続ける事務作業への対応について、そのポイントになるのが着眼点を定めることです。

「今日はこの子にこだわって見ていこう」
「昨日の遊びの続きを見ていこう」
「課題としている遊びを、どんなふうに仕掛けていくか」

何も考えずにただ漫然と子どもたち全体を見ていると、「1日の振り返り」と言われても、ぼんやりとしてしまいます。それでは、日誌を書くときにもあれこれ思い出すのに時間がかかってしまいます。だから、ポイントを定めてそこを意識し、テーマを持って日々の保育に関わるのです。

1日単位ですべてを推し量るのではなく、1週間単位ですべての子どもたちの行動や言動を裏付けし、1ヶ月を通して全体像が見えてくるようにします。

そのなかで反省点がなんなのか、反省したことを次の計画としてどう生かすか、という「振り返り」を繰り返していきます。こうすることで、日々の書類作成に追われ過ぎることなく、もっと前向きに向き合っていけるのです。

保育現場は今、ものすごい速さで変わっていこうとしています。それを20世紀型の保育のままでいいとあきらめてしまっては、一歩も前に進むことはできません。

もちろん、どんなに時代が変わっても、子どもたちの発達は同じですが、生まれ落ちた環境と育つ環境がまったく違うわけですから、そこは新人の保育士も、経験豊かな保育士も、意識を変えて向き合っていく必要があります。

今の世の中では、バーチャルの世界にはまり過ぎて、何が本物なのかつかめていない状況も見られます。子どもたちへの影響を考えると、公園や園庭など、自然のなかで遊ぶ時間を増やしてあげることも大切です。

時代の変化に合わせて保育も変わり続けていくことが、保育士としての説明責任を果たせることにつながります。具体的な場面での経験をすることで、保護者の悩みや質問にもすぐに答えられるわけです。

目の前にいる21世紀の子どもたちにきめ細かく対応していくには、見方、受け止め方、感じ方、考え方を含めて、「今」を感じとり、それを保育の場で生かしていくことが不可欠です。

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