勤務時間が当初の予定よりも少ない場合、解雇時に不⾜分を請求できるのか?

会社側のシフト編成で勤務時間が当初の予定よりも少なくなったような場合、解雇時に勤務時間不⾜分を請求できるのでしょうか。

会社側には、雇⽤契約の内容に基づいてシフト編成を作成する義務があります。

労働者にとって勤務時間の減少は、賃⾦の減額につながる重要な要素です。

会社側が⼀⽅的に作成したシフト編成により、当初の予定よりも勤務時間が少なくなってしまうと、労働者の安定した⽣活が脅かされてしまいます。会社側には、雇⽤契約の内容に基づいてシフト編成を作成する義務があります。

したがって、シフト編成を作成した結果、当初の予定よりも少ない勤務時間になる労働者が⽣じた場合には、雇⽤契約書の⾒直しや、労働者の同意を得る必要がでてきます。

会社側がこれらの⾏為を怠った場合、労働者は会社側に対して休業⼿当の⽀払いを請求できる可能性があります。

休業⼿当とは、使⽤者の責めに帰すべき事由により休業した場合に、使⽤者は休業期間中、当該労働者に平均賃⾦の100分の60以上の⼿当を⽀払わなければならないというルールです。

会社の⼀⽅的な都合で勤務時間を減らされた場合は、「使⽤者の責めに帰すべき事由」に該当することになるため、労働者側からの休業⼿当の請求が認められる可能性は⼗分にあるといえます。

なお、判例では、労働者が異議を述べずに減額された賃⾦を受領していた場合であっても、有効な同意(黙⽰の同意)があったとは認めない傾向にあります(平成9年11⽉4⽇⼤阪地裁判決)。