天職かどうかは、やってみないとわからない
派遣という働きかたが自己実現に適しているかについて、自分にとってのメリットだと感じられる人は、間違いなく派遣に向いています。今すぐにでも派遣の仕事についていいでしょう。
具体的にはまず、今現在、自分のやりたい仕事を定めきれていない人。派遣なら、
自分のキャリアプランについて派遣会社にあれこれと相談しながら仕事を決めることができますし、未知の仕事や職場について、2~3ヵ月単位で試してみることができます。そうこうしているうちに、自分の天職に出会うケースはよくあります。
「自分は本当は何がしたいんだろう。何が向いているんだろう」と一人きりで悩んでいても、何も始まりません。いろいろチャレンジしながら模索するというのは、いわば派遣だけに許された特権と言っていいかもしれません。ぜひ試してみてください。
いいとこ取りが可能な派遣の働きかた
次に、自分が目指す夢があり、それをかなえるまでの生活の足がかりをほしいと思っている人にとっても、派遣は最適な働きかたです。
目指す夢とは、独立・開業や海外留学、難関資格取得、芸能・芸術で身を立てることなどです。夢の実現までの準備期間には、まとまった自分の自由な時間を確保しながら、一方で不自由なく生活できるだけの収入も必要です。目標に向けて貯金もしなければならないでしょう。
こうした希望をバランスよく満たすには、おそらく派遣以上の働きかたはないのではないでしょう。
また、限られた時間で効率よく稼ぐことが、仕事選びの最優先という人。
一定期間に働き、長期休暇を取って自分のやりたいことを思う存分やりたい人もいれば、介護や育児などのために1日あるいは1週間のうち働ける時間がどうしても制限されてしまうという人もいます。
いずれにしても、仕事が人生の目的の最優先ではない人、あるいは最優先にはできない人の場合、派遣会社に事情を説明し、自分にぴったり合った時間配分でできる仕事を選べるのは、何より好都合ではないでしょうか。
それから、仕事をしたいという意欲は十分あっても、会社や職場に縛られたくない人。
その時々の都合により、職場のルールに合わせて業務内容を変えられたり、残業を強いられたりすることにほとほと嫌気がさしているとか、職場のしきたりや人間関係をわずらわしく思っているなら、派遣の仕事があなたの悩みを解決してくれるはずです。
派遣なら、契約外の業務をさせられたり、納得できない残業をさせられることがありません。職場の人間関係にどっぷり浸かる必要もなく、一定の距離を置いたつきあいができるのも派遣ならではです。
派遣というのは、いろいろな面で「いいとこどりができる働きかた」と言えます。仕事に求めるものは自分なりにあるものの、ほかに自分がやりたいこと、あるいはやるべきことがあって、それを仕事によって浸食されたくない。
たとえ仕事でも心地よくないことはできるだけ避けたい。そういうあなたの思いをかなえ、あなたらしく働く自由を与えてくれるからです。つまり、自分のライフスタイルを考えたとき、いいとこどりの働きかたがぜひとも必要という人は、すべからく派遣に向いていると言えます。
仕事中心の生活が楽しい人は派遣に向かない
では逆に、派遣に向かないのはどんな人でしょうか。
一言で言うなら、仕事をライフスタイルの最優先にしたい人です。人生の喜びも、自己実現の場も仕事にあるという人、仕事が充実さえしていれば概ね満足できるという人、一つの職場で同じ顔ぶれのメンバーと切磋琢磨し、出世していくことに喜びを感じる人というのは、ある意味、派遣には向いていません。
そういう人にとっては、仕事にいちいち期間の定めがあること自体、邪魔で不自由だからです。できることなら、自分の納得できる職場を見つけて、無期雇用で働くことをおすすめします。
ただ、人生は山あり谷ありです。体調が思わしくないといった理由で、少しペースダウンをしなければならないときもありますし、ライフステージの変化により、自分より家族を最優先しなければならないときもあります。
それがたとえ一時的なことであっても、それまでと同じような働きかたはできないといった事態に苦しむことになるでしょう。そういうときには、派遣という働きかたがあることを思い出して、一時避難をする気持ちで利用していいでしょう。
POINT
・仕事中心の人生を楽しめている人は派遣には向いていない。
・会社に縛られたくない・特定の時間だけ働きたい人にも向いている。
・派遣に向くのは、仕事で迷っている人・仕事以外に夢がある人。