当社にはパート⽤の退職⾦制度はないのですが、勤務時間が4時間と少なく、勤続年数も3年程度のパート社員から請求されたら退職⾦の⽀払いが必要でしょうか。
パート社員に退職⾦を⽀給する慣⾏がある場合は、⽀払わなければなりません。
法律は、退職⾦の⽀給について具体的な規定を置いていません。
したがって、退職⾦の有無、⾦額の算定⽅法、⽀給時期といったことについては、労使間で決定することになります。その際、正社員には退職⾦を⽀給するが、パート社員には退職⾦を⽀給しない、というように、雇⽤形態によって異なる取り決めをしても問題はありません。
退職⾦(退職⼿当)は、就業規則の相対的必要記載事項(必ずしも記載しなければならないわけではないが、そのことについて規定を置く場合には、必ず就業規則に記載しなければならない事項)です(労働基準法89条)。
パート社員⽤の就業規則の内容を確認し、そこに退職⾦制度についての記載がない場合には、当該会社にはパート社員⽤の退職⾦制度がないと判断することができます。
したがって、このような場合には、原則として会社側がパート社員に退職⾦を⽀払う必要はないでしょう。
ただし、就業規則に記載がない場合であったとしても、「慣⾏」としてパート社員に退職⾦を⽀払っている場合には、会社側に⽀払義務が⽣じる可能性があります。
過去に⽀給実績があり、⽀給条件が明確な場合には、勤務時間や勤続年数が短くても退職⾦を⽀払わなければならないケースもありますので、注意が必要です。