労働者を勤務延⻑で雇⽤継続する場合、雇⽤形態や給与などは従前の契約内容がそのまま引き継がれるのか

定年を迎えた労働者を勤務延⻑により雇⽤継続する場合、雇⽤形態や給与などは従前の契約内容がそのまま引き継がれるのでしょうか。

退職させずに引き続き雇⽤させることになりますが、条件の⾒直しは可能です。

勤務延⻑によって雇⽤を継続する場合、定年になっても契約を打ち切ることなく、そのまま労働者を在籍させることになります。

そのため、雇⽤形態や給与などは、なるべくそのまま引き継がれることが多くなっているようです。

しかし、再雇⽤の場合と同様に、勤務延⻑の場合にも、定年に達した労働者をどのような雇⽤形態で雇⽤するかについて、企業側が内部規程で決定しておくことが可能です。

定年の時点では、今後どの程度雇⽤するか判断が難しいケースもありますし、体⼒的な⾯から⻑期の契約を望まない労働者もいます。そのため雇⽤形態は、嘱託社員等の期間雇⽤契約を締結するのがよいでしょう。

また、勤務延⻑により雇⽤を継続する労働者に従事させる業務内容も、企業側が決めることが可能です。

定年に達した労働者が従事する業務の候補は、その労働者が定年前まで従事していた業務と労働者が経験したことのない全く新しい業務の2種類に分類されます。

労働者側は、それまでの経験を⽣かした仕事を望む場合が多いようです。

また、企業側も、労働者に新しく業務のノウハウを吸収してもらうよりは、今までの能⼒を⽣かして仕事をしてもらった⽅が効率よく仕事が進み、好都合だといえます。

そのため、定年前に従事していた業務かそれに類似した業務を割り振ることが適切だといえます。

給与や賞与、退職⾦はどうすべきか

給与や賞与などの労働者に⽀払う⾦銭についても、なるべく以前の条件が引き継がれることになりますが、企業側が⾒直しを⾏うことも可能です。

勤務延⻑による雇⽤継続後も、労働者の職務の難度や責任に変化がないような場合には、以前の給与の額を保つ必要がありますが、職務の難度を低くする場合や、責任を軽くする場合には、給与額を減額することが可能です。

賞与についても、勤務延⻑後は⼀般の従業員より少ない額を⽀給する、もしくは⽀給しないといった取り決めをすることができます。

また、退職⾦の⽀払時期も、企業側が決めることができます。勤務延⻑の場合、延⻑の時点では退職⾦は⽀払われず、継続雇⽤が終了した後に⽀払われることが⼀般的なようです。

このように、勤務延⻑の場合においても、定年後の雇⽤契約の内容を企業側が⾒直すことができます。必ずしも従前の契約内容を引き継がなければならないわけではありません。