どんな内容の労働契約であっても従わなければならないのでしょうか。
使用者が不当に労働者を拘束するような契約は法律上認められていません。
労働基準法は、使用者が不当に労働者を拘束することのないように、以下のような契約を結ぶことを禁止しています。
①強制労働の禁止
使用者が、暴行、脅迫、監禁、その他の精神的または身体の自由を不当に拘束する手段によって、労働者の意思に反して労働を強制することを禁じています(労働基準法5条)。
②賠償予定の禁止
労働者に契約違反があった場合に、支払う違約金や損害賠償額を決めておくことは禁じられています(労働基準法16条)。
③前借金相殺の禁止
働くことを条件にお金を貸し付け、それを賃金で返済させる契約は禁止されています(労働基準法17条)。
④強制貯金の禁止
使用者が、強制的に労働者の賃金から一定額を貯蓄させることは禁じられています(労働基準法18条1項)。
⑤中間搾取の禁止
第三者が営利の目的で反復または継続して、他人が就職したり仕事を継続していくことに関与し、中間搾取することは禁じられています(労働基準法6条)。