保育の現場は大きく揺らいでいる
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今、保育の世界は大きく揺らいでいます。ニュースを見れば、「待機児童問題」、「保育士不足」、「園建設反対運動」といった言葉が目に飛び込んできます。「保育崩壊」といった言葉を出す人までいます。

昔、保育士は「保母」と言われていました。

男性保育士への配慮や男女平等の観点から、1999年に正式に「保育士」と改称され、2001年の児童福祉法改正により、保育士資格は国家資格になりました(施行は2003年)。このころから、保育の現場も大きく様変わりして来ました。

「少子高齢化」と、もう何年も言われていますが、働く女性の増加にともない、それまでの「共働き家庭のために、子どもを預かる」といった保育の解釈から、「なくてはならない社会インフラとしての保育」へと、世の中の認識も変化しています。

保育園は、正式には「保育所」と言います。

似た立場の幼稚園は3歳~小学校就学前の子どもを1日だいたい4~5時間預かる園であり、文部科学省管轄の「学校」の一種です。

ですから、幼稚園の先生は、正式には「幼稚園教諭」と言います。必要な資格も小学校の先生と同じ「教職員免許状」の一つである、「幼稚園教諭免許状」になります。

一方の保育園は、厚生労働省の管轄になります。福祉としての「保育」であり、0歳~小学校就学前と幅広い乳幼児を預かるのが特徴です。預かる時間は園によってさまざまですが、1日8時間以上の長時間にわたることが一般的です。

保育士も幼稚園の先生も、合わせて「保育人」と呼ばれることがあります。

今、この保育の現場が大きく揺らいでいるのです。

これまでの20世紀型の保育では、未来の保育は立ち行かなくなってしまうという危惧に直面しています。

昔とは、社会環境も、子どもたちの生活も、親子のあり方も大きく変わりました。それに合わせて、保育が必要とされる役割、社会や保護者から求められることも、変わってくるのが当然です。

今、保育士資格を取得した人のなかで、実際に保育の現場で働かれている人の数は、半分にもいたりません。

幼稚園教諭の資格も持っていて、幼稚園の先生として働かれている人もいますが、やはりこれは、保育士たちの置かれた環境に多くの問題点が山積しているからでしょう。

勤務先に選ばれない方、退職されて復職されない方、それぞれに理由はあるでしょう。

・保育士の給与が(一般的に)安い。

・勤務時間が長くなりがちで、休みも取得しづらい。

・子どもを預かるという責任が重大な仕事で、精神的な悩みが絶えない。

けれども、「子どもとふれあう」という保育の仕事の核は、「子どもの成長を見守る」という魅力は、どんなに社会に変化があっても、変わることはありません。

保育の世界に大変革を起こすようなことは、一保育士になかなかできることではありませんが、「できることから少しずつ」改善していくことは可能なはずです。

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