試⽤期間中のパート労働者の残業代

やる気を判断するため、試⽤期間中のパート労働者に若⼲残業させたところ、残業代を要求されました。⼤した貢献もしていないので拒否したいのですが。

試⽤期間中でも、所定労働時間以上働かせた場合は残業代を払う必要があります。

試⽤期間とは、会社側が採⽤した労働者の適性を⾒極めるために設ける期間ですが、結論として、「試⽤期間だから残業代を払わない」という会社の考えは誤りです。会社には、残業した労働者に対して時間外⼿当(残業⼿当)を⽀払う義務があります。

したがって、1⽇8時間を超えて労働させたときには、試⽤期間であるかどうか、また、正規の職員であるかどうかに関係なく、8時間を超えた分に対して、原則として25%以上の割増賃⾦(時間外⼿当)を⽀払う必要があります(労働基準法37条)。

こうした場合に、会社側が残業代の⽀払いを拒絶すると、労働者は労働基準監督署などの機関に相談して、さらに残業代の⽀払いを請求してくる可能性があります。

会社側には、試⽤期間中の労働は利益に直結しないなどの不満もあるかもしれませんが、定時に帰宅させずに時間外労働をさせた以上、時間外労働の必要があったわけですから、試⽤期間中であっても会社の利益にも⽴派に貢献しているといえます。

なお、試⽤期間中ということで、労働条件が本採⽤後の労働条件よりも低めに設定されていること⾃体は違法ではありません。

ただし、だからと⾔って、試⽤期間中の時間外労働や深夜勤務分の割増賃⾦の請求ができないということにはなりません。