在留資格のある外国⼈は⽇本⼈労働者と同じ待遇で働けるのか

在留資格のある外国⼈は⽇本⼈労働者と同じ待遇で働くことができるのでしょうか。

⼤前提として、在留資格を取得している必要があり、在留資格によって認められた仕事の範囲や期間でしか働けません。

外国⼈労働者が⽇本で働くためには、滞在し活動するための資格(在留資格)が必要です。

在留資格とは、外国⼈が⽇本に⼊国や在留して⾏うことができる⾏動等を類型化したものです。詳細は出⼊国管理及び難⺠認定法により規定されていますが、これに該当しなければ90⽇を超える滞在は認められていません。

在留資格や出⼊国の管理について規定している法律が「出⼊国管理および難⺠認定法(⼊管法)」です。会社が労働する在留資格のない外国⼈を労働させると違法になるので、通常、会社は在留資格のない外国⼈を雇いません。

在留資格については、種類別に許される仕事が決められています。

在留資格は、期間が決められていて、期間が切れた場合は、更新しなければなりません。そのため、在留資格を更新せず、期間が切れている外国⼈は不法就労になります。不法就労した外国⼈は処罰されて国外に強制退去させられることになります。

この場合、最⼤で今後10年間再⼊国することができなくなります。

もっとも、法務⼤⾂により「⾼度専⾨職1号」に認定され、さらに「⾼度専⾨職1号」で3年以上在留している外国⼈の⽅は、「⾼度専⾨職2号」として、在留期間が無期限となるなどの幅広い優遇措置が認められます。

さらに、使⽤者も在留資格がないことを知った上で外国⼈を雇⽤したり、不法就労をあっせんした場合には、処罰される場合もあります。

ただ、外国⼈にも、労働法(労働組合法、労働基準法、最低賃⾦法、職業安定法、労働安全衛⽣法、労働者派遣法など)が適⽤されます。

たとえ⼊管法違反の不法就労の外国⼈でも労働法で保護されます。たとえば、外国⼈に対して法定労働時間を超えて労働させた場合には労働基準法違反となります。

⼀⽅で、労働基準法3条は、国籍によって賃⾦、労働時間、その他の労働条件について差別的待遇をしてはならないとしていますから、⽇本⼈と同じ仕事をさせているにもかかわらず外国⼈に安い賃⾦しか⽀払わないのは違法です。

仮に、外国⼈であることを理由に賃⾦を安くした場合、労働基準法の差別的待遇にあたるので、会社は損害賠償を請求されるおそれがあります。