その他「労働者と会社のトラブルを解決するための⼿段」

内容証明郵便

内容証明郵便は、誰がどんな内容の郵便を誰に送ったのかを郵便局が証明する特殊な郵便です。郵便物を発信した事実から、その内容、さらには相⼿に配達されたことまで証明をしてもらえます。

これは、後々訴訟にでもなった場合の強⼒な証拠になります。内容証明郵便は、特殊な郵便物ですから、それを受け取った側が、何らかの反応をする可能性は⾼くなります。受け取った相⼿⽅に⼼理的なプレッシャーをかけるものです。

内容証明郵便は、受取⼈が1⼈の場合でも、同じ内容の⽂⾯の⼿紙を最低3通⽤意する必要があります。ただし、全部⼿書きである必要はなく、コピーでも⼤丈夫です。

郵便局はそのうち1通を受取⼈に送り、1通を局に保管し、もう1通を差出⼈に返してくれます。同じ内容の⽂⾯を複数の相⼿⽅に送る場合には、「相⼿⽅の数+2通」⽤意することになります。

⽤紙の指定は特にありません。たとえば、未払いの時間外⼿当(残業代)を請求する場合、⽂⾯には残業代請求の根拠となる労働時間と、時間外労働⼿当の⾦額、遅延損害⾦(⽀払期⽇に解雇予告⼿当や割増賃⾦を⽀払わない使⽤者に課される損害賠償で、商事法定利率は年6%)を記載します。

窓⼝での注意点

完成した同⽂の書⾯3通(受取⼈が複数ある場合には、その数に2通を加えた数)と、差出⼈・受取⼈の住所⽒名を書いた封筒を受取⼈の数だけ持って、郵便局の窓⼝へ持参します。

内容証明郵便を取り扱う郵便局は、近隣のうち集配を⾏う集配郵便局か、⽇本郵政株式会社の各⽀社の指定した無集配郵便局になります。

その際、字数計算に誤りがあったときなどのために、訂正⽤の印鑑を持っていくのがよいでしょう。

内容証明郵便を書く際の注意事項

・用紙
市販されているものもあるが、特に指定はない。B4判、A4判、B5判が使用されている。

・文字
日本語のみ。かな(ひらがな、カタカナ)、漢字、数字(算用数字漢数字)。
外国語不可。英字は不可(固有名詞に限り使用可)

・文字数と行数

縦書きの場合:20字以内×26行以内
横書きの場合1:20字以内×26行以内
横書きの場合2::26字以内×20行以内
横書きの場合3:13字以内×40行以内

会社が倒産した場合

会社が倒産した場合に、給料や退職⾦などの労働債権をどう確保するかは重要な問題です。労働者としてはどのような⼿を打てばよいのかを知っておきましょう。

①労働債権の存在確認

労働債権の⼀部については、破産の配当に優先する債権として扱われます。このため、会社の倒産時において、労働者は他の債権よりも優先して未払賃⾦などの弁済を受けることができます。

したがって、まず、未払賃⾦を⼀般債権に優先して確実に⽀払うように要求します。労働債権の額が確定できれば、会社財産に対する差押えを検討します。ただ、源泉所得税などの国税や、住⺠税などの地⽅税、健康保険などの社会保険料は、労働債権よりも優先されることもあります。

経営者が⾏⽅知れずになっていて、請求先が明確でないという場合には、タイムカードや給与明細書など給料や退職⾦の額が確認できるものを確保して、労働基準監督署に相談し、その指導に従って未払賃⾦の原資(資⾦源となる財産)を保全します。

②法的⼿段の検討

債権確保に急を要する場合は、仮差押えや仮処分を検討します。

さらに、訴訟により判決を得て強制執⾏(裁判所への申⽴てにより、権利者の権利内容を強制的に実現する⼿続きのこと)をするという⽅法もあります。倒産や解雇などのトラブルは、素⼈には難しい⾯もありますので、専⾨家である弁護⼠に相談・依頼するのが有益です。

③その他の⼿段

会社の取締役個⼈(代表取締役を含む)や親会社などの責任を追及し、こちらから労働債権の回収ができる場合もあります。

また、現実的には難しい場合もあると思いますが、会社がもっている売掛⾦などの債権の譲渡を受ければ、迅速に労働債権の⽀払原資を確保することができます。

未払賃⾦の⽴替払い制度

未払賃⾦については、「賃⾦の⽀払の確保等に関する法律」(賃確法)による未払賃⾦の⽴替払い制度を利⽤できる場合があります。

⽴替払いの対象となるのは、未払賃⾦総額の80%相当額(年齢による上限あり)です。ただし、上限も設けられています。

⽴替払いを受けるには、

①破産⼿続開始決定を受けたこと、

②特別清算開始命令を受けたこと、

③⺠事再⽣開始の決定があったこと、

④会社更⽣⼿続開始の決定があったこと、

⑤中⼩企業事業主が賃⾦を⽀払うことができなくなった場合において、退職労働者の申請に基づいて労働基準監督署⻑の認定があった場合(事実上の倒産)

という要件にあてはまることが必要になります。

⽴替払いの対象者は、労災保険の適⽤事業で1年以上にわたって事業活動を⾏ってきた企業(法⼈、個⼈を問いません)に、労働者として雇⽤されていた者で、⽴替払いの事由があった⽇の6か⽉前の⽇から2年間に退職した者です。

ただし、未払賃⾦の総額が2万円未満の場合は、⽴替払いを受けることができません。