小さな子どもたちの保育園にはくつろげる雰囲気が大切です。
さらに、もう一つ、保育室という空間で大切なのは、子ども一人ひとりが「安心して自分のきもちや意思を発信できる」雰囲気です。
小さな子どもが1歳を過ぎ、だんだん興味や関心が広がっていくにつれ、「見て!」「せんせー!」と、保育者にたくさんの発信をし、いろんなことを教えてくれようとします。
家庭で家事に追われている最中に、お子さんから「見て、見て!」と話しかけられて、「ちょっと待っててね」「後でね」とあしらってしまった経験はありませんか?
小規模保育園では、こうした子どもからの発信に対して、一つひとつていねいに向き合い、応答的に関わることをかなり重視します。なぜなら、子どもは自分からの呼びかけをむげにされたり、軽くあしらわれたりしてしまうと、「伝えたい!」という意欲も、「自分は大切にされている」という自己肯定感も育まれないからです。
子どもが安心して自己を発揮できるには、子どもが周りの目を気にしたり、周りに合わせたりするのではなく、「ありのまま」の状態でいられることが大切です。
この雰囲気づくりに大きく影響する、もう一つの要素が、「保育者の雰囲気」です。
保護者の方も、お子さんを預ける保育園を探す時、一番気になるのは「どんな先生たちがうちの子と関わるの?」ということではないでしょうか。
0・1・2歳児しかいない小規模保育園では、保育者がもつ雰囲気に共通するものがあります。それは、穏やかで、いつもにこにこした、文字通り「やさしい顔つき」をしている、という点です。
子どもが育つ上で、保育園の環境の中で最も大きな要素の一つが、保育者です。目つきがきつかったり、語気の強い言葉かけは、0・1・2歳児が健全に心を育てていく環境には向いていません。性格は人それぞれですし、良い悪いはありませんが、あくまでも小さな子どものための保育園で保育に携わる方には、厳しさや力強さよりも、とにかくやわらかい印象を帯びた人であってほしいものです。
そうした観点で同じ志をもった人が集まると、園全体が「ほんわか」「ゆったり」「まったり」のような、穏やかで和やかな雰囲気がただよう空間になります。このような環境が、どんな性格の子でも安心して自分が出せる場所なのです。