人間の人格や「心」の土台は、3歳までにおおよその部分が形成されると考えられています。
「三つ子の魂百まで」ということわざもありますが、生まれてから1歳、2歳へと目覚ましいスピードで発達する段階をどのように過ごしてきたのかが、その後の人生に大きな影響を与えることは間違いありません。
「どのように過ごすか」といっても、まだこの時期の小さな子どもたちは、生活環境や居場所を自分で決めることはできません。
言い方をかえるなら、保護者や保育者など、身近で関わる大人が「毎日どのような接し方をしたか」「子どもに対してどのような反応を示してきたか」によって、人として成長していく「心の土台」の部分がまるで変わってきてしまうということです。
ここでいう「心の土台」には、3つの要素があります。
まず最も大きな要素が、自己肯定感です。
さらに、その自己肯定感の根底は、特定の大人(保護者や保育者)との間で生まれる愛着形成からなされる、基本的信頼感がベースになります。
そして、子どもの心の内面にしっかり育まれた自己肯定感の上に、非認知能力といわれる生きる力の基礎が積み上がっていきます。
この3つの心の土台、つまり人格形成につながる部分が健全に育まれることで、その先の発達プロセスで獲得していく思考力や学習能力、IQといった認知能力が伸びていくわけです。
もちろん子どもの発達には一人ひとりのペースがありますが、この「順番」は変えられるものでなく、着実にステップを踏むべきものです。
そのステップの中でも、0・1・2歳は心の土台となる「基本的信頼感」「自己肯定感」「非認知能力」を獲得する、とても大切な時期です。