人の一生を形づくる個性とは、どの時点で、どのように育まれるのでしょうか。
そのカギをにぎるのは、乳幼児期の過ごし方です。そして、その期間の過ごし方は、将来にわたって大きく影響していきます。
昨今、この子どもの乳幼児期を取り巻く社会が、急速に変わりはじめています。
その最も大きな変化の一つが、「待機児童問題の解消」です。地域によってはまだまだ保育園が足りないところもありますし、当面は完全には解消されないものと考えられます。
その中でも、就学前の子どもが身を置く居場所や、得られるサービスは、すでに多様性をもった広がりを見せています。
私たちが子どもの頃は、親が共働きなら保育園、専業主婦なら幼稚園という2つの道に分かれ、その道は小学校で合流するという流れが一般的でした。
それが今では、保育園と幼稚園の機能をあわせもった認定こども園や、幼稚園でも保育園並みの時間の預かり保育を提供し、共働き家庭を支えているところもあります。
さらに、小規模保育園をふくむ地域型保育や、自治体の助成を受けて運営する認証保育園など、就学前の子どもが通う保育園の選択肢は広がっているのです。
このように、さまざまな選択肢があり、待機児童問題が解消へ向かっているということは、子どもの進路を決める主導権を、ようやく保護者が手にできる時代が近づいていることを意味しています。
これから子育てをはじめる保護者の方には、「普通はこうだから」「まわりの子は○○だから」ではなく、ぜひともお子さん自身の「らしさ」を起点に、大切な個性がのびのびと発揮されるような進路を見つけ出してほしいです。
そのために、先入観やこれまでの常識にとらわれすぎず、いろんな保育園を見てもらいたいのです。