アパレル業界の人間は、どんな店舗を見ればよいのか?
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もしも、ご自身が店舗で勤務するという方であれば、同じファッションビルやモール内にある店舗をすべて、一般の消費者として回る事をおすすめします。また、路面店勤務ならば、そこからリアルな移動手段で買い回れる所で良いです。

店舗スタッフ以外の方は、ご自宅の近く、もしくはどこか自店が入っているファッションビルを決めて回ればいいです。ポイントとしては、一日お休みの日で行うべきで、一人でも良いですし、友人知人、パートナー等、ごく自然に「日常の買い物」として過ごす事が最も重要です。

欲しいモノがあり買うに至る理由があるなら買いましょう。

そして帰宅後に、このモールの中で、アパレルや雑貨、飲食、その他サービスも全部ひっくるめて「自分の店舗は何位なのか?」を考える事です。別に正確に上から下まで順位を付ける必要はありませんし、それが直感的なものであっても良いです。

実は、この客観的に店舗を見るという行為が、アパレル業界勤務が長くなればなるほど、行えなくなります。

店舗勤務での笑えるようで笑えない話として「オープンして一年間、外から店舗を見た事が無い」と言うケースです。

いつも店内側にいて、店内は清潔で整理整頓は正しく出来ているのに、店舗の入り口から見た店内の風景は視界にも入っていないというもので、
ずっと入り口の電球が切れていた、
塗装が剥がれていた、
棚から3メートル下がった位置(入店直前で無いと見えない)から見えるゴミに誰も気がついていなかった、
などがあります。

ただし、上記のような事を起こしてしまう方の能力が低いとは言えません。店内で必死に勤務している方にこそ起こりやすい出来事であり、普通はそういうものかもしれません。

誰しもが店内いて、お客様と対話する姿勢ならば、お客様から見える景色の、180度、真逆を常に真剣に見続けている事になります。

また、お会計レジ内にずっといる場合は、完全にお客様と対面している状況ですので、見えている景色は理屈として、どうしても真逆になってしまうと「理解」をしておくべきです。

こういった事に、自分が消費者側として様々な店舗に行くと、自然に好感を持ったり、不快に感じたり、嬉しかったり、悲しくなったりする経験値を積む事が出来るチャンスが得られます。

もちろん、気付いたその場でメモをする事が一番そういう経験を蓄積して自分のデータにすることになりますが、その行為が「いかにも業界人」でしょう。

自然に買い物に行って、楽しみ、帰宅後にも残っている記憶が、お客様のリアルな記憶と同様なものです。

また再来店時に思い出す事もあるので、そうやって記憶の引出しに体験した様々なサービスを蓄積していく事は財産になります。これが自分だけの「真なる、お客様目線の店舗チェックリスト」になります。

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