給食を作る調理室が保育室に隣接していることも、小規模保育園のメリットの一つです。
保育園によっては、小規模保育園であってもフロアが分かれていたり、外部業者へ調理業務を委託している保育園もありますが、一般的には園内の保育室近くに調理室を設置していることが多いはずです。
大きな保育園では、調理室が保育室から離れていることの方が一般的ですが、小規模保育園では、調理員も日頃から子どもたちと関われる距離にいるため、小さな子どもたちも「給食の先生たちが、給食を作ってくれるお部屋」を認識していて、調理室をのぞいたり、調理員に話しかけたりする光景も見られます。
0・1・2歳は個人差や月齢差が大きいことから、食事にも細心の注意をはらわなければいけません。
通常食だけでなく、離乳食もゴックン期(初期食)・モグモグ期(中期食)・カミカミ期(後期食)・パクパク期(完了食)と細かく段階があり、園児一人ひとりの発達や様子に合わせ、さまざまな個別対応が必要になります。
一斉に大量の給食を作らなければならない大きな保育園だと、どうしても個別にアレンジしたり、柔軟に対応することはむずかしいです。
一方、小規模保育園の人数分の調理を行う給食体制であれば、かなり細かな対応が可能になります。文字通り、「家庭的な給食」の提供ができるのです。
また、そのような個別対応を行う上でも、保育者と調理員の連携は欠かせません。保育室と調理室がすぐ近くにあることで、おのずと保育者と調理員が密にコミュニケーションでき、タイムリーな情報連携ができます。
保育者と調理員、栄養士が参加する「給食会議」と、調理員間で園児の食の進み具合や情報を共有・把握するための「調理員ミーティング」をそれぞれ毎月行い、かなり細かく情報連携するように努めているところもあります。
また、食事では家庭での様子を知ることも大切になるため、保育園の中での保育者と調理員との連携だけでなく、保護者の方との情報共有も欠かせません。
普段調理した給食を食べる園児のことを、調理員や栄養士もよく知っていれば、保育者が保護者の方からの食に関する相談を受けたり、家庭での園児の様子を聞いたりした内容を、スムーズに調理員や栄養士にも伝達できるわけです。