保育園の中で大切にしたい「一人ひとりのために」
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「十人十育~子どもの個性を尊ぶ保育~」という保育理念は、それぞれの子どもにはそれぞれの育ちがあるということです。

これは、子どもたち一人ひとりのきもちや興味・関心にていねいに応答しながら、それぞれの個性や育ちのペースによりそう保育、これが、「十人十育」のもと、保育園で共通の価値観として大切にする基本的な考え方です。

保育園であれば、保育園の大きさや運営形態にかかわらず、一人ひとりを大切にすることを目指すのは当たり前で、どこでもそうあるべきです。

保育所保育指針にも、「一人ひとりのために」という言葉は何度も登場します。

しかしながら、ママパパがお子さんを保育園に連れてから、「行ってきます!」とあいさつを交わした後の時間というのは、その子だけでなく他の子がいる集団生活の場です。みんながいる中でのその一人、という状況に身を置くことになります。

家庭では、その子だけのためにアレンジができますが、集団での生活となると、どうしても「周りに合わせる」時間や場面が出てきます。保育の現場では本当の意味で、一人ひとりを尊重し、子どもが主体的に過ごせる状況を実現するというのは、実際にはとてもむずかしいことなのです。

でも、小規模保育園という集団生活の場であっても、少人数の小さな保育園の特性を生かして、子ども一人ひとりが思い思いにいられる場になれるよう、さまざまな工夫ができます。

なぜなら、0・1・2歳児は個人差や月齢差が大きいため、その小さな子どもたちのための保育園は、特に、個別の配慮や一人ひとりに合わせることが大切だからです。

保育者の日々の接し方や声かけ一つをとっても、子どもの心の土台形成に大きく関わります。

そのため、保育園では、子ども一人ひとりの個性や育ちのペースによりそうために、「どのように保育を行うか」という方法論だけでなく、「子どもという存在をどのように見るか」という子ども観のすり合わせを重ね、保育者間で共通認識を図りながら、園全体・法人全体で「十人十育」の実現に力を注ぐべきです。

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